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考える言葉

 

戦略の効用

 
2023年07月17日(月)

 21世紀に入ってすでに20数年がたつ・・・。21世紀はパラダイムシフトとの時代であるといわれている。
 つまり、過去の延長線上に未来は描けない時代だといわれるようになり、同時にマネジメントの世界において盛んに“戦略”という言葉が多用されるようになった。“戦略”に関しては今まで、”考える言葉”シリーズでも何度なく取り組んだテーマでもある。
 これも書棚を整理していたときに見つけた本であるが、『なぜ「戦略」で差がつくのか~戦略思考でマーケティングは強くなる』(音部大輔 著)の中に、“戦略の効用”について網羅的にまとめてあったので、ここで紹介したい。
 氏は、“戦略”について次のように定義し、その効用として11項目掲げている。
 “戦略”とは「思考のツールであり、目的達成のために資源をどう利用するかの指針」であると、定義づけている。
 そして、“戦略の効用”、つまり“戦略”を持つことで何が変わるかと問い、次の11項目を掲げている。
 ① 成功確率が上がる
 ② 目的のよりよい達成が可能となる
 ③ いい失敗で経験値を獲得しやすくなる
 ④ 再現性の確保
 ⑤ 有意識の力
 ⑥ パニックを防ぐ(混乱状態)
 ⑦ 自損事故を防ぐ(own goal)
 ⑧ 意思決定を助ける(取捨選択)
 ⑨ 目的を共有する
 ⑩ 摩擦を下げる(エネルギーの浪費)
 ⑪ 権限移譲を助ける(主体性、自制心を養う)
 著者は、“戦略”の構成要素は「目的」と「資源」であると概念化し、戦略とは「思考の道具」であると定義している。
 そして、戦略が必要な理由は、① まず一つに、達成すべき目的があること、② 二つ目に「資源」に限りがあるからだ、と述べている。
 小生は、戦略と戦術はいずれも、組織の未来を創造するときに必要欠くべからざる思考の道具だと心得ている。その意味でも、頭の整理ができる良書の一冊だと考え、
今後も折に触れて、手にしたいと思う。



                   ”考える言葉”シリーズ(23‐26)