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考える言葉

 

韓国雑感

 
2003年03月24日(月)

 ㈱日本M&Aセンター(代表・分林靖博氏)が主催する海外研修(ソウル、19~22日)へ参加する機会を得た。
 参加者の多くは、メンバー制のネットワーク組織(日本M&Aセンターグループ)の会員となっている会計人である。私自身は初めての参加であるが、世界各地を開催場所として選び、10数年続いているという。
 その目的は、開催地における“M&A(事業譲渡・買収)”をはじめとする企業動向や経済事情を研修すると同時に、会員相互の情報交流といったところであろう。
 今回は、「韓国国際会議」と名付けられ、韓国の流通業界、ベンチャー企業の現状について講演があった。さらに、“韓国税制”について現地の公認会計士から概要の説明があった。
 韓国経済は、90年代に入ってからも順調かと思われたが、97年秋に通貨危機に襲われ、財閥系企業の破綻、金融危機に伴うIMFへの支援要請などで、急激な崩壊に見舞われたのは記憶に新しい。
 その後韓国は、ネットビジネスを国家的事業として推進し、ブロードバンドの普及率は50%を超えており、今やインターネット強国である。当然ながら、IT関連への人材の移動が著しく、ITベンチャー企業の誕生が経済の牽引力になっているようだ。韓国のGDPは、日本の十分の一で50兆円くらいであるが、IT関連のウエートが相当高くなっているだろう。
 韓国経済は、ソフト化あるいはサービス化の道を歩み出したといえよう。まだまだ、日本に比べるとサービス業に従事する人たちの表情や仕草をみていると、ぎこちなさを感じるが、通貨危機以前に訪れたときよりは、はるかに愛想が良くなったように思える。ただし、謝罪の言葉はあまり使いたがらないようだ。
 それから、国の税収では付加価値税(税率10%)のウエートがもっとも高く、それから所得税そして法人税(日本より税率が10%低い)となっているようだ。
現地のガイドさんによると、韓国は貧富の差が大きくなってきているという。そして、一般家庭では共稼ぎが多いらしい。デパートの品揃えは結構豊富で、とくに食料品は日本よりかなり安い(日本人が土産品店で買わされているキムチは数倍の値段がついていた)。
それから、以前は車のクラクションが騒々しかったが、運転がかなり紳士的になっていた。仁川国際空港は、広くてきれいで、ソウルの町並みもたいへんあか抜けしていたし、好感がもてた。
いろいろな意味で、韓国の変化を感じ取ることができた研修旅行であった。